夜の海

名前すら色がついて感じるくらいの恋をお前はしたことがあるのかよ。私はありませんでした。
私は名前も知らないようなものにしか恋ができなかったよ今もそう、それは貧しいことですか?
さっき分かった、あなたの歌っていることが。人間のことなんだね。
衝動と分けて、でも衝動がすべてだろう、もう二度とないくらい繰り返してお約束でも新鮮か?違うね、繰り返しているんじゃない。その都度生まれているんだよ。誰かじゃない。自分でもない。
息ができないくらいに入ってくるあなたの寂しさと背中と酔って着く時間、私を奪ってくれたのはあなたの向こうの男心、階段の手すりに置いて行かれたタオルハンカチのおかげでちゃんと見えた。
体温に飽きて
あげられるものは何もないけど全部寄越しな、その駆け引きさえ。
存在への欲望と曖昧への讃美歌でちゃんとやっとみんなの言ってる意味、私分かってきたよ、私ちゃんとみんなのこと分かってる。これからも教えてね。