2023.10.2 濡れた草の中の青い小さな花

地に足ついてる。
私は現実が全部夢で、地球はいつでも美しいと思う。
戦争が起きても、人を騙しても、何も奪えないし、心を騙すことはできない。
不可侵なものがある。好きだと思う心。美しいと思う心。生きたいと思う心。そこにあった思いは誰も奪い取ることができない。あの時のあの恋を帳消しにはできない。
例えば6年前にたった何日かだけ私の恋人だったあの生き物が、虫だったか猫だったか人だったかも正確には思い出せないけれど、愛し合っていたことだけは思い出せる。

私が今日30歳になるまでに心酔した幾人かとの甘い会話を、甘い夜を、誰も奪うことはできないのだから、そこに私たちがたくさん閉じ込められているのだから、そこで恋人同士だったのだから、それは永遠だ。
実際の永遠と今夜限りの永遠、女がどちらを好むかと言ったら言うまでもない。こればかりは、分からない方が悪い。
こんなにも愛されて、たくさんの美しい生き物たちに囲まれて、それでもなお求める、この心こそ私たちの本性で、それでいい。それでいいが、年貢の納め時というものもある。私の好い人はきっとそれが分かっている人だ。音楽が鳴り止むことはない。

素晴らしいじゃないか。
同じ時に冬ならば、同じ時に朝ならば。
同じ時に4月ならば、同じ時に12月ならば。
心や体が重なることだけが大事かというと、そうでもない。恋の本質は、今同じこの夜を過ごしているということなのだから。
私はジムモリソンと恋に落ちることはできないけれど、目の前にいる小鳥とは二人の世界を作ることが出来る。岩でもいいんだ。まだ出会ってなくてもいい。
時間が可視化される。現在という見えない時間を見えるものにするのがこの恋心、今私が生きているということをあなたが生きているということを証明するただ一つの混じり合い、恋という一言でまとめた方が私はやりやすいようなのでそういたします。